道具
ガラスビーズ製造に使われる道具は何世紀も前から基本的に変化がありません。 なかには発音さえ難しい方言の名前もあります。もちろん製造に欠かすことのできない要素で、道具そのものもこのガラス工芸の文化的、歴史的遺産の一部といえるものです。
タカディン(Tacadìn)
タカディン(tacadìn)という名前は、くっつける(イタリア語でattaccare)という意味のtacàrというヴェネツィア方言から派生したもので、イタリア語訳さえない特殊な道具です。
尖った先端が直角に曲がった鉄の棒で、この先端を真っ赤になるまで熱してから皿に並べたムリーネをくっつけて取り上げ、ビーズの核となる溶融ガラスに貼り付けるために使用します。
ピンツァ(Pinza)
ビーズの製造で円筒形に成形するために使うトングです。
パレッタ(Paléta)
先端が平たく、溝がついた鉄棒。ビーズの形成に使われます。
スピエト(Supiéto)
管から空気が排出される仕組みになっていて、製造途中にビーズを冷却するために使われます。
フラットエンドトング(Pinza con estremità piatte)
長さ約20センチメートルほどのトングで、可動式の先端にブロンズ製半型が付けられています。ビーズを自在に成形できる道具です。
プロルンガ(Prolunga)
作業終盤でガラスカンナが手で持ちきれないほど熱を持った場合に使われる延長用の道具です。
フォルフェ(Forfe)
ビーズに通した銅棒を切断するのに使うはさみです。
スカレッタ(Scaléta/Scaletta)
鉄製のホルダー。ビーズの製造中、ガラスを巻きつけた銅チューブを固定して作業を容易にするための道具です。
スッポルト(Supporto)
カンナの先端が常に炎に触れているよう、正しい位置に固定するために使用する支柱です。
ピンツェッタ(Pinzetta)
プレートやオブジェの製造で、ムリーネを配置していく作業に使うピンセットです。
銅棒(Tubicino di rame)
1935年頃、ランプワークビーズの製造道具としてモレッティ社が初めて導入。ビーズに滑らかな穴を開けられるため、ビーズをネックレスとして繋いだ際にコットン紐を傷つけないというメリットがあります。
リボン状の銅コイル(Matasse di piattina di rame)
1968年、まさにこの道具を用いて生まれたのがムリーネのペンダントです。エルコレ・モレッティ社発案です。
フォルノ(Forno)
ムリーナのペンダントを溶かすための炉。 (自社での設計と製造)。